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DPATを作る!? [オーディオ]

DPATは CDのデータそのものを改竄することなく再生してみたいというオーディオマニアとしての純粋な欲求から作った物ですが、未だCDそのものを再生しようとするメーカーがないことに不思議な気分さえ覚えます。
もちろん オーディオはそれだけでは無いのですが、完璧が可能な部分はわざわざ改竄することもないですし、完璧が有り、目で見える唯一の要素です。
さて そう思っている人も多いわけで、自分でDPATの様なトランスポートを作りたいと思っている方も大勢いらっしゃいます。
しかし いくら測定方法等を公開してもバイナリ一致をするソフトウエアやハードウエアを実験で作り出すのは難しいことです。理由は簡単で 被試験体を測定する測定器が無いからです。
測定器さえあれば測定方法がわかっているわけですから設計した物が真か偽か直ぐにわかります。

しかし オーディオは本当に難しいです。データだけでは音は決まらないからです。それはクロック。世の中でよく言われていることは 何PPMと言った何年に何ヘルツ異なる と言うような長期的な変化ですが、これは 全くと言えるほど関係有りません。
人間はそんなゆっくりした変化は絶対にわかりませんし、音質の違いは無いのです。音程が全体的に変わるだけです。これは音楽家でも判別不能な程度のピッチの差です。音質に影響を与えるのは もっともっと・・・・も~っと 短い時間の中での変化です。
これは 位相ノイズと言います。中心周波数に対してどのくらいユラユラと周波数がぶれるか という事です。言葉ではユラユラ と言ってみますが、本当に早い周期の変化で、これは 速すぎ そしていろいろな成分が含まれるために位相ノイズ と言う物で表します。
一般的にはジッターと言われている物と同じような物です。

これは 高精度クロックを搭載すれば解決するのでしょうか? じつは解決しません。発振素子だけの問題ではなく周辺回路が関係しています。そして もう一つ言えることは 仮に綺麗な理想的なクロックを作ったとしてもそれが他の回路を通る段階で理想から外れていくのです。
だから ケーブルを変えたり シールドをしたり、電源を変えたりすると いろいろな要素が絡んで音質も変わります。CDプレイヤーもパソコンも実は同じような構成なのでCDトランスポートをパソコンで作る と言うことが可能です。
せっかく汎用でいろいろな性能を発揮できるパソコンで作るのですから ハードディスクを使って リアルタイム再生から根本的に逃れよう と考えることも出来ます。そうすると サーボなどは同期していませんので 直接データに乗っているクロックにはあまり影響を与え無いと思いますが、今度はハードディスクが出すノイズなどが問題となります。
パソコンのパーツは 様々なメーカーがあり それぞれ良い点と悪い点があります。それは どのパーツにも言えることです。たとえばわかりやすいところでは 映像。 「高速な3D処理は出来るが発色が悪い」「発色は良いが3D処理は苦手」そして 一般の方があまり気がつかない問題点として ドライバーの出来不出来や相性などがあります。
組み合わせる 他の機器と相性が悪く うまく動かないことがあるのです。つまり 目的の装置をパソコンパーツを使って作る場合には そういう部分を回避したり、目的にあった良い物を選んだりする必要が有るのです。

これと同じようなことは ターンキーシステムにも言えます。たとえばハイビジョン編集。ソフトウエアは売られていますが、問題は業務用として安定して業務に耐えられるクオリティで、業務として十分実用な速度で動作するかなど ターンキーとして様々な重要な要素があります。
ただ 動くだけならソフトを買ってきてインストールすれば動きます。CDトランスポートも同じで 何も考えずに普通のパソコンにCDを入れれば再生可能です。しかし音質や性能は・・・・

会社には様々な相談が寄せられます。もちろん 業務ですから取引先ですが、「XXというボードでこういう場合に認識しない」 と言うような問題です。サーバーなどでは プラットフォームが変わるだけで大問題となりますので チップは何 と言うことも問題となります。また 固有のバグもありますし、組み合わせでも同じようなことが起こりますので バグ回避方法などきちんと動かすためには様々なノウハウが必要です。、
さたに 同じハードディスクでも性能差はもちろん どのパーツが壊れやすいかなど タダ動くだけではなく 速度や耐久性なども良いシステムを作るためには必要なことです。
オーディオでは もっといろいろな要素が問題となってきます。
ノイズの少ない電源や 理想的な配線をしてある電源など 現物を何個も買って測定したり、実際に使ってみるなどしなければ良いものはなかなか見つかりません。電源一つでもいろいろ考えなければならないのですから 全ての構成パーツを考えると言うことになるとかなり大変と言うことが理解できると思います。

こう考えると 一般の方でパソコンを何台か作ったことがある と言うだけでは 業務機やDPATの様な特殊な機器を作るのは 既製品の専用機を超える物をつくる というのは かなり難しいと思います。
まあ こういってしまうと夢が無くなりますので どういう事をしたらいいか と言うことですが、測定には最低2台必要なわけで数台作り たとえば 電源だけ交換するとかいろいろ実験していくのが良いと思います。もちろん電源だけでなく ボード類など交換できる物は沢山あります。
実は こういう事はかなり楽しいです。電源一つで性能が変わるわけですから オーディオのコンポーネントや車のパーツみたいな感覚です。ただお金もかかりますが・・・ 一台作るのに 3台4台作る分くらいのパーツが貯まります(汗)という自分も趣味でパソコンをさわっていますが、いろいろいじっていると余ったパーツで2-3台はパソコンが作れてしまいます。
もし 業務機やDPATのような 求める性能のターゲットがある場合は 買ってしまった方が安くなるかもしれません。
こういう話をしている私でも サーバー用の電源を買い求めるときは リスクを回避するために最初から 10万円もするサーバー用の電源を買ってしまうことも良くあることです。もっというとサーバーを作らず 購入してしまうこともあります。
価格的な問題で買ってしまった方が自社で開発するより安い場合も多いからです。

というわけで 趣味のオーディオでDPATの様なトランスポートを作る場合は 、そのプロセスが楽しみであれば自作。今すぐにでも手に入れたければ購入 という感じでしょうか。
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コメント 1

まーくん(レンタルサーバー研究者)

こんにちは、まーくんです

DPATってはじめて聞きました。
マニアには便利なものなんですね
CDを再生するメーカーがないとは知らなかったです
CD再生するラジカセはそれではないんですか?
難しいことをたくさん知っててすごいです
また来ます
by まーくん(レンタルサーバー研究者) (2009-05-30 15:10) 

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