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録音とマスタリング(飲んだ席での話題) [オーディオ]

音楽関連とオーディオ関連に携わっていると避けて通れないのが録音とマスタリング。
よくよく考えると 他の方の仕事だから 「関係ないじゃん?」 と言われそうですが、実は大いに関係があるのです。
録音関係者やミュージシャンと会話することもあるのですが、何度か今回の話題で飲んだことがあります。

さて 
私が 関係したレコーディングのメジャーなものでは ティートックレコーズの ジャズピアニスト 秋吉敏子さんの渡米50周年記念のライブレコーディングです。

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このときは レコーディング時はもちろんいましたし(機材のところ) マスタリングの途中の課程での音確認もしていますし、できあがり (限定版とマスター版)も聞いています。
その他 いろいろありますが、 何を言いたいかというと、「生録したそのまま と 実際のオーディオ装置から出てくる音のイメージはかなり異なる」 と言うことです。


また 秋吉敏子さんのレコーディングでは会場にいましたし、当たり前なのですが普通に音楽として聞くことができますので 録音されたもの と マスタリング後のもの など同時ではありませんが比較ができます。
もちろん 録音時 録音したそのままを モニタースピーカーでも聴いています。
しかし 一般のスタジオ録音では 楽器はスペースを区切った中で録音しますし、パート毎に録音して カラオケで重ねるようなことも普通に行われていますので 実際の音は聞くことができないことが多いです。

つまり わからない音(全ての楽器や声で構成された音楽)で できあがったCDを聞くわけで 芸術的な音楽としては良いのですが、実際の音との比較ができないのです。

私が機器の開発に 生録音源や自分が参加した録音のソースをよく使うのはそのためで、とりあえず きちんとした音を再生するように努力していると言うことです。

マスタリングエンジニアに聞くと 「見たものや感じるものなど無い情報がたくさんある音楽を如何にCDにしてリスナーに伝えるか 」 と言うことが重要なようです。これは当たり前ですね。しかし そのときに 問題となるのは あくまでも 作っているわけで、生の原音では無い と言うところです。 これは音質評価の時に凄く問題となります。 一例を挙げますと ホールで録音していないもので機械的なエコーをかけたものでも 「ホール感がある」という表現で音質表現をしますが、 もともとホールは存在しないわけで マスタリングエンジニアや制作側で上手く処理したものが 視聴者に上手く伝わった と表現すべきです。
仮に ホールであっても ホールの残響がどの程度収録マイク(特に普通のオンマイク)に入るのかも問題です。
オンマイクですから視聴者位置で残響を録音しているわけではないからです。

まあ こんなことを言うと 音楽自体がおもしろくなくなるので いつも私が表現しているのは 「音楽家や制作側が意図した芸術をありのままに伝える」ということなのです。
データで音質を変えたり 機器で音質が変わったのでは、制作側で作った音楽が上手く伝わっているかわからないからです。
しかし もっと突きとめると 制作側の環境と異なれば 違う音が出ている!? と言う疑問です。

これは 一つの回答として 「制作側ではリスニング環境では制作していない」という事があります。
つまり 芸術に色を付けて自分用にアレンジしても良いと思います。だから いろいろな音のアンプがありアクセサリがあっても良いと思います。

ただ私が思うに、だからといって 何でも良いと言って 白いものに赤い色が付いたりしたら 芸術としては異なるものになってしまいますので、できるだけ 変えるのは薄く・・・・、まあ 食べ物で言ったら ちょっとした薬味 程度にしたいと思っています。 これは 意図的に行わなくても 完璧の存在しないオーディオですから いろいろあると思います。しかし 私としては できるだけ制作側の音を大切にして色は付けたくない と言う想いで、試聴ソースは 生録系も含めいろいろなソースで行っています。
特に現場で聞いた音は 印象が深いです。人間ですから もう実際には忘れているのかもしれませんが、大切にしたいところです。

そういえば ピアノの発表会の記録のマスタリングの仕事が今年も入ってきました。 まあ マスタリングと言ってもマルチではなくワンポイントですから 基本的に音を変えることはしません。カット編集やノイズがあれば除去、ノーマライズなど基本的な部分です。音楽を行っている人が自然に聞くことができるそのままとなります。
ただ 機器のテスト と言う意味では、こういうときは実際にその場で音楽を聞いていますし、出音もそのままテストできますのでこういう仕事は大切にしたいです。
ホールは このあたりでは最高のホール。天つりの既設ものですが、つりがさほど高くなく、ピアノの音が出る方向の角度に近いので かなり良い音がします。いわゆるそこの音に近いのです。
また 楽しみです。

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