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オーディオ機器は温度 何度の時が良い音がするのか!? [オーディオ]

10月になり段々と秋らしさを感じてきました。
最近では 栗、リンゴなど 実りの秋という感じで、少し食べすぎかな!?

と言うことですが、寒くなってくると、オーディオ的にはどうなんだろうか? 

その昔 レコード再生をしていたときは 冬は本当に大変でした。カートリッジのダンパーのゴムが硬くなってきちんと再生できなくなってしまうのです。 部屋を暖め、カートリッジが暖まる頃には、睡眠時間(笑)と言うこともしばしば。 あまりレコードでの音楽再生はしなくなりもっぱら FM放送を聞いたりしていました。

さて 皆様は 電源を入れっぱなしにして、音楽鑑賞をしていると

電源を入れた直後より、 一日経った方が良い音がする。 いやいや 長時間すると 音が悪くなっているんじゃ無いか?  電源を入れっぱなしにしてもダメ。音を出していないと良くならない


など いろいろと思ったことは無いでしょうか?

様々な意見がありますが、一般的には 電源を入れしばらくたった方が良い という感じが多いと思います。しかし 全てが そうでは無く ラックに入れると調子が悪い とか インシュレータや何かを敷くと良いとか まあ いろいろありますよね。
また 夏は調子が良いが 冬は・・・ とか 逆とか・・ まあ いろいろあります。

ということですが、オーディオ機器が 時間と共に音質が変化する理由の一つ としての 温度と音質のことは あまり実験されていませんし、間違った解釈もあり、イベントで お客さまと公開実験をしてみました。

-20度 30度 80度
です。

温度はできるだけ正確に測るために 赤外線放射温度計を使い、コンデンサーは外部に出しています。 つまり その素子そのものの温度を測っています。

実験箇所はカップリングコンデンサー。変なパーツでは 分かりすぎるというか、ハイエンドでは使わない物を使っても意味が無いので ある程度 品質に問題が無い物を使っています。
逆に 分かりづらいと言うことも有るかもしれませんが、極端に温度を変えているので大丈夫でしょう。

分かり易くするために CDプレイヤー DACアウト から プリアンプにつなぐ間に 電解コンデンサー ニチコンゴールド 22μを入れ 音質テストです。
カットオフ周波数は 計算上5~16Hzと推測されます。(他社製アンプのため正確に分からない)

低温コンデンサー.jpg

これは冷やしたときの写真です。

できるだけ正確に測るために 放射温度計を使いそれぞれ 30度と比較しました。

1,マイナス20度
音は痩せスカスカした感じの音ですが、一応 オーディオとして聞くことができる音です。
流石 ニチコンゴールドという感じです。

2,80度 痩せたという感じよりも 芯が無く、輪郭が無い音がホワホワした感じになります。

3,マイナス温度から 徐々に80度くらいまで上げていく

音が変わっていく様子が一応微妙に分かりますが、 連続ですと実はあまりよく 分かりません。
後で気がつくみたいな感じです。
50度くらいになった際若干緩い感じに聞こえてきます。 このくらいからはもうダメ と言う感じです。
(内部が50度になるのは もっと暖めたときと推測されますので 短時間ですから 表面的に ということですが、それでも変わります)

ということで やはり 内部温度まで考えると 30度~40度くらいが良さそうと言うことに、ここではなりました。

機器の内部は 電気で動いているわけですから 全てと言って良いほど熱に変わりますので発熱体がいっぱいです。
たとえば 高級機で50W電力を消費するとすると 1℃/W の筐体構造で 50℃も温度が上がることになります。 
まあ 中心に全ての発熱体を集めた話をしていますので この50℃というのは本来無い話ですが、それでも 20℃や30℃上げるのは簡単です。
あの狭い筐体の中で 60W電球を付けていると思えば良いです。

ということで 仮に30度上がったとすると 30度の部屋で使うと 60度ですから前述の実験からは 音が悪い領域になっています。 

30度の部屋で音楽鑑賞をする場合は 送風して強制冷却をしできるだけ 外気温を循環させるようにしないと 30度にはなりません。 周囲温度 + 消費電力による温度上昇 になるからです。

手で筐体を触って暖かい と感じるのは 自分の体温より高いわけですから 少なくとも40度近くになっています。 一番冷えているところで 40度ですから 内部はかなり熱いのです。
内部のオペアンプを測ってみるとわかりますが、 50度くらいは当たり前にあります。 その近くの部品ですが、空気の流れが悪いと 50度 とは言いませんが、 かなり熱くなります。

部品は 動作が良い状態が有り、おおむね 低いより高い方が良いのですが、高過ぎは問題です。
たとえば 電解コンデンサー。 
電解コンデンサーは -20度程度になりますと 5%ほど容量は減り、インピーダンスは高域で数倍上昇してしまい特性は悪くなります。ただ低域はほとんど変わりません。しかし ある程度温度が上がってくると 電解液に関する特性が良くなっていきます。

アナログオーディオで「暖まった方が良い」 というのは ある意味こういうところから来ていると思いますし、電解コンデンサーだけを取れば 実際にインピーダンスに限って言えば 特性も良好です。

しかしながら これは アナログに限ったことで デジタルではそうではない部分もありますので注意が必要です。熱くなると まともに動かない と言うこともあるからです。

さて アナログに 戻りますが、 熱い方がなんだか良い感じがしますが、漏れ電流は 温度が高くなると大きくなり、温度が下がると小さくなります。暖めれば全部良いわけでは無いのです。

漏れ電流が関係してくるところと言えば 簡単な例では 高入力インピーダンスの 入力回路です。
DCをカットしていると思って使っているコンデンサーですが、実は チョロチョロ漏れ電流があると問題です。
ハイインピーダンス 特に最近のFET入力回路では(オペアンプももちろん多いです) 回路によっては問題になってきます。
DCアンプにする理由です。 長期間にわたり、安定した動作はもちろんですが、漏れ電流など変化する物を回路内に使いたくないからです。

0度以下になりますと コンデンサーとしての能力が極端に落ちてしまいますので これは論外ですが、5度 10度では 真価を発揮しないようです。
温度が上がると 寿命は間違い無く短くなります。加速度試験というのは 温度を上げて行うのです。 寿命を 加速して 減らすわけですね。 つまり劣化も早いのです。 劣化すれば 音は良いはずがありません。
また 温度が10度変わると寿命は 1/2になるという物も存在します。
たとえば 10年使えるものが 5年になるのは嫌ですよね。

さてさて もっと問題なのはデジタル。 まだ アナログ回路は 高めの方が良いので、どうしても 暖かい→ 音が良い と感じてしまうのは人間ですから仕方が無いのですが、 デジタル回路は アナログよりも熱に対してさらにシビアに、私は感じています。 特に演算は 冷やせば冷やすほど 高性能になります。

昔 液体窒素で実験した話は何度かしましたが、 私たちが普通に実験できる範囲であれば 冷やせば冷やすほど 性能は上がっていき、 温度が上がれば どんどんと性能は悪くなります。

私が オーディオ 特に デジタルオーディオで最も注意していることの一つが温度です。 できるだけ温度を下げるために 放熱板を多用したり 強制冷却をしたり、様々な熱対策を過剰とも思えるほどしているのは そのためです。

とにかく 過ぎたるは及ばざるがごとし 常温から 外れていくのは問題です。

触って暖かい → 内部は 何十度も高温  
の場合がほとんどです。 機器の消費電力を考えて 想像してみてください。 ほぼ全て熱になると思って良いです。
 空気孔から 暖かい空気が出ている場合は 自然対流して放熱してるのですから まだ良いのですが、囲って有る場合は大問題です。 ラックなど含め 位置や 放熱状況 含め オーディオ機器の温度管理は高音質のために 気をつけたい事柄の一つです。










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