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バランスヘッドフォンの大きな誤解 [オーディオ]

世の中でバランスヘッドフォンが騒がれ始めてからかなり時間が経ちましたが、世の中の記事を見ますと大きな誤解があるようです。
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良く書かれているのは、 「ブリッジ接続によるドライブ・・・・」ですが、これは 本当の意味でのバランスの利点を説明しているものではありません。
一般のアンバランスと バランスの大きな違いは 「共通インピーダンスがあるかないか」になります。また 距離が長くないと効果がないとか いろいろ言われていますが、全く根拠がありません。と言いますのは アンプを設計して動作させたことがある人ならわかるのですが、ほんの数センチのアースの共通インピーダンスがあるだけで 明らかに耳で聞こえるほどのハムやノイズが増えたりする事があります。そういう共通インピーダンスの問題は、本当はもっと語られなければならない問題なのですが、アナログ回路自体がだんだん少なくなってきてしまいましたし、世の中のオーディオに対する全体的な地位も変わってきてしまって あまり・・・いや 全く論議されないのは、本当に寂しい限りです。
ということで アナログ回路の共通インピーダンスに関して日々研究している人だいぶ少なくなったと思います。
アナログ回路の理想追求より 「売れる」と言うことが最重要課題だからです。まあこれは言わなくてもわかっていることですが、これが 実はフォーカスをぼかしてしまいます。なにしろ 本当は回路設計や基板設計などの最も重要な部分にも関わらず、全く宣伝効果がないですから・・・

さて これを理解する方法は無いのでしょうか? 実はだれでもイメージできる配線があります。 
理想的な配線を簡単にイメージする題材・・・誰でも普通に行っている配線。
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それは スピーカーのケーブルを思い浮かべてみましょう。 必ず左右別々に 2本の線で(計4本)でスピーカーと接続します。これは 何も考えていませんが 実は共通インピーダンスを排除しているのです。もっと言うと ツイターなどまで個別に配線している バイワイヤリングも一時かなりはやりましたが これもマルチアンプの場合などこれも同様です。
ヘッドフォンはなぜか こうなっていない・・・ 疑問を持つ人も多いですが、意味はこういう事なのです。

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実は ヘッドフォンの中にはスピーカーと同じように 4本のワイヤーで接続しているメーカーもあります。プラグ部分で共通になっていますが、この場合ほぼスピーカーと同じ接続になります。これだけでも当然音は変わります。バランス接続にしなくても 試す価値のあるリケーブリングです。

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ということですが 実はスピーカーの場合 いくらワイヤーを4本使っても 通常はアンプ内部のアース部分で共通インピーダンスを持ってしまいます。結果4本使いのヘッドフォンと同じです。電源のアースは共通だからです。これを打開(有利!?)するためには 2つの方法があります。

1,モノラルのアンプを2台用意する
2,ブリッジ接続で共通アースへの接続をなくす
(実際には回路設計で理想から外れたり性能が変わります)

もうおわかりだと思いますが、ここで初めて ブリッジ接続の意味が大きくクローズアップされます。また昔から モノラルアンプが音がよい と言われている部分の理由もここにあります。

モノラルアンプは、左右のクロストークがない と言うことをよく言われてきましたが、私が思うにそれよりも 共通インピーダンスを持たない と言う方が大きいと思います。
(ステレオアンプでも共通インピーダンスを極力持たない配線をすると言うことも可能です)

OJI Specialでは バランスヘッドフォンアンプはもちろんですが、D-AMPもモノラル構成で同じような理論で制作しています。

11月16日にはフジヤエービックさん主催のヘッドホンショー出展予定です。 中野サンプラザ15階で行う予定です。
共通インピーダンスのない音 聞いてみませんか!?  
バランスヘッドフォン。共通インピーダンスを考慮した回路であれば 大きな意味があります。前回のヘッドフォンショーでOJI Specialをお聞きいただいた方はわかると思いますし、様々なところで書かれている OJI Specialの完全バランスヘッドフォンシステムの評価の 「緻密さ や高分解能」は こんなところから来ている結果です。


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