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バランスヘッドフォン大きな誤解その2 [オーディオ]

昨日は バランスヘッドフォンの一番大切でもっともクローズアップしなければならない 「共通インピーダンスをなくす」と言うことについて説明しました。
今回は もう少し突っ込んで話をしたいと思います。

そもそもバランス回路はどこから来たのでしょうか? これは誰でも知っている プロ用オーディオ接続で使う 「バランス接続」です。さてバランスヘッドフォンの誤解の元は、このバランス回路と バランスヘッドフォンを同じようなものとして考えるから誤解を招くのです。
バランス回路は 位相反転した信号の差分を取って同位相で重乗した飛び込んできたノイズを打ち消し合う目的で使用されますが、バランスヘッドフォンも同じ位相反転された信号を使ってはいますが、ノイズ削減の意味は無いと言って良いでしょう。 ノイズが飛び込み困るのは その信号を増幅する場合に 飛び込んだノイズまで増幅してしまうから問題なのであって 後段に増幅器が無い場合は問題とならないことがわかると思います。
「いや それでもノイズが飛び込めば聞こえてしまう」と思うかもしれませんが、これも大きな間違いです。
低インピーダンスラインにはノイズはほとんど乗りません。ノイズが入り込むのは 「ハイインピーダンス回路」になります。

一般の信号増幅系の多い信号経路のインピーダンスパターンは 出力インピーダンスを0にできるだけ近づけ 入力はインピーダンスを上げる と言うパターンです。これは 伝送の誤差を減らすための工夫で 出力インピーダンスが 0で次段の入力インピーダンスが無限大の場合は 出力に現れた信号波形がそのまま伝送されます。

仮に 出力インピーダンスと 次段の入力インピーダンスが同じ場合、波形は半分にまで減衰してしまいます。これは まずいですよね。というのは接続する機器で大きな音になったり小さな音になったりメチャクチャになるからです。

ここで実は大問題があります。入力インピーダンスを無限大にしてしまうと 逆にノイズは入りやすくなるのです。出力インピーダンスが高く入力インピーダンスが低いことを 逆に考えると この意味がすぐにわかります。
出力インピーダンス 0で入力インピーダンス無限大の場合には 出力1Vの場合 1Vが次段に伝わりますが、出力インピーダンス無限大入力インピーダンス0の場合 いくら出力電圧があっても次段は0のままです。まあ 当たり前ですが、これでは増幅になりませんから これはあり得ませんが、入力インピーダンスが高い(高いインピーダンスの伝送回路)とノイズも良く入るのです。

もう気がついた人もいるでしょう。 ヘッドフォンは高くても 数百オーム。つまり 増幅はしませんし、入力インピーダンスも低いのでノイズは乗りにくい(ほぼ乗らない)といって良いでしょう。

長々説明しましたが 要は ノイズ云々は関係ないのです。まあ 大出力の無線機などを近くにおいて リターンロスをガンガンあるような(ほとんど電波になって飛ばない)機器をおいたらそれは スピーカー(ヘッドフォン)から音が出るかもしれませんが、そういうことは少ないです。

余談ですが、伝送路を低インピーダンスにして伝送する回路は いろいろあります。600オームの伝送路は様々なところで使われていましたが、これが 数キロ~数百キロではないのは ノイズが乗りにくい と言うことがあります。
トランスを使って伝送する回路はいろいろありますよね。電話とか、そういうものです。かなり長距離を伸ばしても問題有りません。


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