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理想を追求すると悪くなる!? [オーディオ]

理想を追求していくと音が悪くなった事って皆さん無いですか?
理想から外れると音が良くなった事って皆さん無いですか?

ということで 実はこういう事は昔散々経験しました。
たとえば ESR が多く、その他の特性も悪い純粋なコンデンサーとはならないもの つまり 理想的ではない物 と コンデンサーとしては特性がよいフィルム系の物 また 理想的である何もない直結を比べた際 結果はどうなると思いますか?

まあ 比較するやり方にもよると思いますが、無作為に抽出したリスナーの方に聞いていただき、その他は条件を一定にして市販の音源で確認すると ほぼ全て平均した割合になってしまいます。大学での実験の結果です。

実は これはオーディオを研究して私が 最初にぶつかった大きな壁です。 私は理想が絶対に良い音がする と思ったのですが、実は違ったのです。

私の経験では それまでは 良い特性のものは 良い音がしたのです。 当時 トランジスタアンプは音が悪い と言われていました。 要するに真空管アンプの方が良いというわけです。 しかし 理想に燃えていた私は 何か原因がある ということで中学生くらいからずっと研究していました。 その頃 のアンプは そのほとんどが 真空管と同じような回路の ACアンプが主流でした。 私が思ったのは 電流増幅素子と電圧増幅素子を同じ回路で使うのはおかしいのではないかという タダ単に動物的な本能?見たいな感だけだったのですが、何か変だと思ったのです。そのとき 眼に入ったのが JBL SA600 という トランジスタアンプです。

差動入力でシンメトリカルTサーキットという トランジスタの PNPとNPNを巧みに使い トランジスタの立ち上がり部分の歪みを極力取るためにトランジスタをオフにしない と言う工夫がされている回路です。 解る人には解ると思いますが、 理想的ではないトランスやトランジスタによる位相反転回路を使用せず、トランジスタのNPN PNP ダイレクトにつないだ回路になっています。最終段は 今では当たり前の 純コンプリメンタリ回路。それまでは 準コンプリメンタリ・・・ まあ あまり知らないと思いますが 当時一般には 同じトランジスタを2ヶ使ったプッシュプル回路が普通だったのですが、私が製作したのは PNP NPNを使った回路でした。 まあ 後で知ることになるのですが、PNPとNPNは実は完全には特性がそろっていない のですが、当時はそれでも画期的だったのです。

これは作るしかない!  と思ったのですが、当時 海外製のトランジスタは入手できるはずもなく 結局回路をコピーして常数を変えて製作しました。

これは 私の人生の中で 何回か遭遇した ゾクゾクッとくる出来事だったのです。当時 何かベールがかぶったような 抜けの悪い 歪みっぽい トランジスタの音ではなく、その音は あくまでも澄みきり クリアーなサウンドでした。 多分今聞けば それほど良いとは思わないかもしれませんが、当時は たいていは ACアンプの 最終段は同じ特性のトランジスタを使ったB級プッシュプル回路でしたので・・・ つまり 理想を追求すると音は良くなる と感じていたのです。

ということで 何を言いたいのかというと 「理想を追求していくと音が悪くなる」 これは 理想を追求したところ以外のところが変わっているのではと思っているのです。
それともう一つ! 比較している条件が悪いのではないか!? ということです。

たとえばCD。 これを使って比べているのですが、 よくよく考えると これは絶対的な基準にはなりませんよね。理由は簡単で 加工して作られた人工物であり、視聴者は 自分の中にあるイメージと比較するからです。
本来であれば 高忠実度再生を目指すのであれば 比較する基準は、生音以外にはありません。生とは アコースティックという意味ではなく そこで演奏した音ですね。 この場合 「生音がない」 ということは 個人それぞれの空想の中の音で比較されてしまうことになり 本来 比較することは出来ないのです。 たとえば ピアノの音。 本物のピアノでも メーカーや品種によってコロコロ音が違うのに 加工したCDで録音した本物のピアノの音を想像することはまず出来ません。

まあ こう言ってしまうと オーディオは楽しくないですし、もっと言うと  じゃあ どうすればいいの!? と言われそうです。本当は オーディオってかなり難しい物だと思うのです。

ただ 一つ 言っておきたいのは CDは芸術ですから、 CDそのものは加工してあっても全くかまわないのです。そして 視聴者の好みはどんなものでも良いわけです。 人それぞれ好みがありますので・・・・

私が言いたいのは 機器の制作側の問題や選択する人の問題となるのですが、 HiFi再生をするためのものなのか それとも芸術的に聞かせる物なのかを はっきりと決めないといけないと思うのです。
もし HiFI再生を望んでいるのに 芸術的な機器を使っていたら きっと一生自分が納得する音には出会えないと思うのです。 逆に 芸術的な物を望んでいるのに HiFi再生を目指している機器を使った場合は なかなか 思った音楽にならないと思うのです。

これは 本当に難しい問題です。 私も実は好きな音があります。しかし 好きな音を出していたら 業務機での再生装置は作れません。 エフェクタやインターフェースだったらいいと思います。これを使うと こういう音になる と言うことで 業務では普通にあることですから・・・ これはある意味芸術的な問題となります。そして 芸術的なものでも本当に良いものは 多くの人に受け入れられます。 たとえば ニーブ。 良い音出しますよね。 マイクでも 定番があります。 これ無しではボーカルにならない と言っても良いくらいです。

私がいつも思っていること。 HiFi再生を求めるのであれば 絶対的な基準を作ることです。これは 説明しなくても解ると思います。 もう一つ。 好きな音を求めるのであれば いろいろな音楽を聴くのが良いと思います。 これは どの音楽を聴いても 同じような傾向の音になっていれば きっとどこかで色が付いていると思うのです。理由は簡単。 作っている人や機材が違うのに同じ音の傾向になると言うことは色が付いているわけで、もし HiFiだったら いろいろな音、全く異なる音になっても良いはずです。ますます難しい・・・

と言うことですが 一つ言いたいのは もし 好きなミュージシャンの音楽をそのまま聞いてみたいと思ったら・・・ それは HiFI再生しか選択肢は無いと思うのです。 再生側で自分の好きな音にしてしまったら 本来ミュジシャンが聞いてもらいたかった彼らの音は聞くことが出来ないからです。

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