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部品を変えて音が良くなるのか!? その1 [オーディオ]

世の中 様々なところで部品交換による性能アップを目指すものがあります。
量産品という ある意味品質が安定していて同じ物が量産効果で比較的安価に手に入るという良い意味でのメリットがある反面、妥協の産物と言うことで それ以上の物を目指すために 量産ベースを利用して比較的安価に行えることとしては 改造等は有効な手段です。

こういう事は メーカーさんも同様に行っていて、先日もメーカーさんの技術屋さんにいろいろお話をしてきました。
そして 改造はもちろん 当方も得意としている分野ですが、部品を交換するという意味での改造と言うことでは無く、より良くする と言う意味での改造では 人の話を聞いていますと間違いも多く見受けられます。

それは

「高価な部品や高性能の部品に交換しても投資効果良く音が良くなるかどうかは話は別」

と言うことなのです。

少し 技術が解る人だったら シミュレータ結果 と現物の違い と言えば解っていただけるかと思います。

プロの場合、 たとえば私がオーディオメーカーさんの技術屋さんに技術提供する際は、価格や性能で 部品選定をして お話しをすることはありません。 そんなに簡単であれば 誰でも出来てしまいます。
先日も 有るオーディオメーカーさんに行きましたが、 高い安いでは無く、 どうやってその素子を生かすのか に焦点が集まります。 つまり選定や交換する と言うことは 何度も行っているわけで それだけでは生かし切れないのが回路というわけです。たとえば その素子をどのルートで何処に接続するのかでも大きく性能が変わります。
クリティカルな部品では 1mm単位で性能が変わってしまいます。 きちんとした回路設計屋さんは 部品の善し悪しでは無く 使い方に焦点が行きます。 部品は選定時に性能を把握しているわけで その結果が出ないのは使い方が悪いと言う方が多いからで、誰でも知っていることです。

さて
そのメーカーにお伺いした際には 技術担当者さんはもちろん、全てのセクションの人とお話をさせていただきましたが、一番凄いと思ったのは 担当者さん。
非常に謙虚で、その方が行ってきた内容と結果を踏まえ、音と回路とパーツの関連性を興味深く聞いていらっしゃいました。もちろん私も勉強になります。全部を知っている人はいませんし、私も同様です。
知っていることでも 他の方が行った結果を 自分と照らし合わせるだけでも、勉強になります。

実はこの技術屋さん 前回伺った際話をした時よりも 数段レベルが向上していました。

もちろん 私も全てを話すわけにはいきませんので一から十まで話すことは出来ませんが、こういう謙虚で向上心のある技術屋さんは 一を知って十を知る が出来る他のメーカーにとって危険なタイプ(爆) だと思います。だから伸びるのです。井の中の蛙 とは全く逆ですね。自分はどうなのだろうかと 思ってしまいまいました。 いやあ 年をとると 昔の人が言っていたことなどの意味が実感できるようになります。

前回いろいろ話をした製品が出来上がり、各セクションのかた総出で試聴いたしましたが、回路も音も非常に良い出来でかなり嬉しく思いました。もちろん 制約の中での設計なので 問題もありますが、ダメなところを指摘するのでは無く、トータル的に向上していることが嬉しいのです。 理論的に説明できて結果が良い と言うことが技術では重要です。

そういえば 別のメーカーさんの社長さんとも 2ヵ月ほど前に話しましたが、 回路構成と物理特性の話です。それぞれ 問題を指摘し合うのでは無く、どうやったらシステムでトータル的に向上できるかを電話で話し合いました。 もちろん 言いたいことは、データに基づき ズバッと言われましたが、 こちらも 同様でした。
しかし 非常に謙虚にそれぞれの話を受け止め お互いに性能向上をしました。
結果 お客さまの機材はトータル的に素晴らしいものになったのは言うまでもありません。

と言うことで このときは非常に上手くいきましたが、そういう事ばかりでは無いので自分にも当てはまります。 自分が間違っていないと自分で判断した場合でも、相手のダメな部分と思われることろが本当にダメなのかどうかも解らずに 闇雲にあるいみ喧嘩体制で行くのでは無く、データに基づき謙虚に物事をとらえ、自分には無い凄い人の技を受け止めて更に邁進しないといけないと思いました。


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