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高周波とオーディオ 接地 [オーディオ]

この一年 いろいろお話してきましたが、先日 記事を見たお客さまが 「仮想接地って?」 みたいな話をしてきました! おおっ! ついに高周波の理解者が!? みたいな感じですが、接地についてお話しましょう。

オーディオでは 接地 GND アース などいろいろ言葉が出てきますが、仮想接地 という言葉も最近では使われています。

ところが 低周波の計測の世界では、仮想接地は 聞いた事がありません。
回路で言う オペアンプなどの仮想短絡 (バーチャルショート 、イマジナリショート )は 接続されていないにもかかわらず 電位が0のことですが、電位が0だからといって 接地や短絡してしまうと回路が変わってしまうので これは 別の話です。

まあ オーディオ 特に 低周波の世界では 仮想的に接地する と言うことは 物理的な話は難しいというか どういうことなのか 意味が分かりません。

ところが 高周波となると話は別です。

それでは 一応 接地のたぐいを分別して 低周波的 高周波的に話をしていきましょう。 
接地は アース(earth)、グランド(グラウンド) (ground) など 大地に起因する言葉で 基準点を意味することが多いです。 簡単に言うと 基準点を大地にした場合は 正に地面に接する様に配線をすることですが、 計測の世界では 「接地抵抗」 というような言葉が出てきます。 地面にどれだけ 低抵抗で接地されているかになります。

ところが 接地されていなくても 前述の通り 基準点が回路内のどこかに有る場合、それを GND(Ground)や アース等と言い いわゆる 0電位の基準点として電気設計などでは用います。 

余談ですが 0電位の基準点をどう扱うか ということが回路の全てで解れば ものすごい技術屋さんになると思います。ほとんどの技術屋さんはあまりよく分かっていない と言う感じがします。低周波で言うと どうしても安易に行いがちな事として ベタアースがありますが、これは 共通インピーダンスの塊のようなもので、ゼロに近いのですが全面がゼロではありません。完全にゼロで無いものは 少なからずオームの法則で簡単に分かりますが必ず影響が出ます。理想では無いのです。
高周波的な話と別の話にもなります。 

さてさて 余談は置いておいて 洗濯機などでは 感電防止のために 正に大地に接地棒を埋めて 接地します。 これは 大地の電位と洗濯機の電位を同じにして 感電しないようにするためです。

オーディオに戻ります。ここで、接地をして 全ての機材の電位を GNDに合わせれば良いのか? と言う問題になりますが、これは 昔とは異なる見解にもなっています。 それは 一例としてインバータなどの高周波電流が沢山存在する現在では 接地ラインにこのノイズ電流を流すと 電位差が生じていろいろ問題が発生する場合もあるからです。 これは 接地抵抗は 0では無い ということと 接地ラインが 0Ωでは無い などいろいろな原因も合わさり複雑な問題です。プロでも苦労している部分で 決定打はありません。本来電位差が生じなければ 電流は流れませんので かなり複雑な問題となります。ノーマルモードやコモンモードなど 皆さん聞いた言葉だと思いますが、ノイズ電流がどのように入ってくるかなど 様々な要因が混ざり合って一筋縄では解決できない問題となります。

と言うことですが、仮想接地って? と言うことになるのですが、前述 接地抵抗は 物理的につなげていないので、0どころか とんでもない直流抵抗値になる様に思えますよね。 全くその通りで 前述の接地の意味には全く使えません。 冷蔵庫や洗濯機につけても 接地されていないので、仮想にもなりません。 では 嘘!? みたいになりますね。 

実は、無線の世界では、これらは普通に使われている技術になります。嘘では無く ものが違うと言えば分かり易いと思います。
ただし 間違えやすいので繰り返し言っておきますが 「いわゆる 接地抵抗が問題となるような 直流的な 接地としては機能しません」

カウンターポイズ と言う物になります。これも 非常に難しいので 分かり易いように言うと 大地間の 容量を利用して高周波的に接地と同じような効果を得るという物になります。とはいえ 接地していないので 接地ではありません。カウンターポイズで 検索していただくといろいろ出てきますので 詳しい説明は割愛しますが アンテナなどの高周波送受信の設備でアースを利用したアンテナの設置ができない場合に アースと同じような効果を高周波的に擬似的に作り アンテナの動作を理想に近くする目的で使用されます。

結果どうなるかというと 接地できずにダメな性能となってしまったアンテナの性能が、カウンターポイズ利用で アンテナ本来の機能に近くなり あがるという形ですね。

おっと! アンテナ!? オーディオには関係無い と思いますよね。 正にその通りです。 オーディオは ノイズなどを放出するのは勿論、ノイズ対策 で 電磁波 いわゆるノイズを受けないようにする事を行っているのですから アンテナの性能を上げるようなことは 真逆の話で、本来は アンテナとなるものの性能を下げることを行わなければなりません。

オーディオ装置に カウンターポイズをつけると 「筐体やワイヤーがアンテナの一部 となっている場合 その動作をアンテナの一部として助けることになります」 そうなると アンテナに同調している周波数では 外部のノイズを良く受信したり 機器からノイズが 強く飛び出したりするわけですね。
当然ながら ノイズの影響はオーディオ装置に影響をして、また 出す場合は 影響を与えて 音が変わります。 
ノイズを 受けたり出したりするわけで 音が良くなるわけでは無い と言うことが解ると思います。 音が良い と言う表現は難しいのですが、本来有る音 と言う意味です。

カウンターポイズで オーディオ機器のアンテナ性能が上がると ノイズなどが 本来の音にプラスされて 音を作りだし、鳴らす と言うことになります。

カウンターポイズと知らず 接地と思い使っていると、接地でノイズ対策をしているつもりが アンテナの性能を上げて ノイズを受信しているかもしれません。これが接地の難しさにもなります。

と言う感じですが、 音 の表現は難しいです。 良い音って? と言う話になるのですが、全く本来の音では無いにもかかわらず オーディオでは 多くの方が聞きやすいと思う良い音が存在します。 正に レコードやCD等になる 音ですね。 ということで 私が思うに、加工するのはいけないわけでは無いのですが、 「元に無い音を付加している」 ということや 「機器の仕組みを良く理解し使う」ということを行えば 求めているサウンドにするために どうすれば良いのか? 何を使えば良いのか? 等が 自ずと見えてくると思っています。  

音を変えたいのであれば カウンターポイズでも良いと思います。 元の音を変えたくないのであれば いわゆる ノイズによる音を付加すること等はやめた方が良いですね。

アンテナとなるもの これは オーディオでは沢山存在します。逆に カウンターポイズになるものも多いです。 たとえば 鉄板を床に敷いてそこに オーディオ機器を接続すると 高周波的には 容量で大地と結合しますので カウンターポイズの様になり、アンテナになるやもしれません。
音は変わっても、本来の機器の理想的な動作であるかどうかは話は別です。
 実際に接地するしないで変わり、アンテナで言うと ラジアル になるかもしれませんが 3ピンテーブルタップでアースを接続するのが良いか悪いかなどの問題にも発展します。下手をするとアンテナの性能を上げることになるかもしれません。
 二階と一階でも アンテナの動作は変わります。 地上高 というものが有るのですが、大地からどのくらい離れているかで同じアンテナでも性能が変わります。


いやあ オーディオ ?? って楽しいですね。

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