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Prodigy CUBE や imAmpの改造方法 [オーディオ]

改造には回路やパターン、常数など 様々な部分を攻めますが、まず気にするのは 回路やコンデンサーです。

そう言うと 電源のコンデンサーを変えたがる方が多いと思いますが、電源は それがないと動作しませんし、一般のアルミ電解コンデンサーを高性能なアルミ電解コンデンサーに変えればそれなりに良くはなりますが、激変と言うところまではいきません。コストに見合った変わり方を求めている場合は  同じ電源のコンデンサーでも攻め方があります。
また カップリングコンデンサーも問題となります。 私は 出来るだけカップリングコンデンサーの無いDCアンプが好みです。しかし 市販アンプのほとんどはカップリングコンデンサーが入っています。それもコンデンサーとしては質の悪いアルミ電解コンデンサーです。

アルミ電解コンデンサーは 小型で 大容量そして 低価格なため頻繁に使われます。しかし コンデンサーとしての特性はあまりよくありません。

たとえば ESR。 ESRとは, R成分(等価直列抵抗)を指します
C = コンデンサ(キャパシタンス成分)
R = ESR = 等価直列抵抗
L = ESL = 等価直列インダクタンス
本来コンデンサーですから Cの成分だけが理想的なのですが、抵抗やインダクタンス成分が入り 理想的ではありません。当然カップリングコンデンサーとして使う場合には RCLの回路となると フィルタを構成しているのと同じ事になり、意図していないフィルタが入ることになります。しかし 理想的なフィルタであれば問題無いのですが、ESRは温度によってころころ変わりますし、理想追求の立場からすると大問題のパーツなのです。これは 手で持っただけの温度変化でころころ変わるものです。

と言うことですが、アルミ電解コンデンサーはESRが凄く変わるのです。そして 温度が下がると容量が抜けてしまいます。ワイヤーを変えただけで音が変わるオーディオです。特性が大きく変わる そして 環境でころころ変わっていくようなものは使いたくありません。電源オンと少し経ったときで音が変わる 位はまだ良いでしょう。しかし 風が吹いて熱くなっている筐体の内部の温度が変わったりすると問題ですよね。さらに 振動でもインピーダンス変化はありますので グチャグチャに揺れている特性の音を聞くことになってしまいます。これは ハイエンドオーディオを目指す場合には良くないですよね。
だから こういう影響無い直結を好むのです。
ESRが変わらないと言えば OSコンが代表格です。ほとんど変わらないのです。だから デカップリングコンデンサーとしてよく使います。電解コンデンサーに特性の良いコンデンサーをパラに使う と言うことも一般には良く行いますが、これもしっかりとした設計が大切です。理由は簡単 容量によって インピーダンス特性が異なるからです。

私の設計するアンプは 回路上はコンデンサー無し、大容量デカップリングはOSコンやフィルムなど。特性変化を持たせる場合の小容量コンデンサーは フィルムかマイカを使います。全て特性がよいものなのです。しかし できれば それも 出来るだけ使わないようにします。んーん 言い換えると使わなくても良いように回路設計する と言うこととなります。

では 通常のメーカーではなぜカップリングコンデンサーという 理想的には問題のあるものを入れるのでしょうか?
理由はいろいろありますが、コストダウンや保護という面が大きいと思います。
DCアンプにするために はプラスとマイナスの2電源が必要ですが、コンデンサーを入れるだけで 単電源に出来 電源回路が半分になります。コストダウンになりますね。
オペアンプはオフセット電圧というものがあり、入力が0にもかかわらず出力に直流電圧が出てしまいます。安いオペアンプや回路構成部品を安価にすると回路は不安定になり問題となります。オフセットの少ない素子などを使えば かなり高額になります。選別などをすればもっと高価になってしまいます。

と言うわけで 価格を下げるためにかなり音質を犠牲にしているのです。しかし 安価なものでもある程度良い音がするものがあります。なぜでしょうか? これも理由はいろいろありますが、カップリングコンデンサーは入れると理想的ではありませんが、しかし 音は変わります。いろいろコンデンサーの品種や組み合わせを変えていくと オーディオ的に良い 心地よい音質になる場合が有ります。これが一つの理由です。
昔 研究室でカップリングコンデンサーの品種と人が感じる音質の統計を取ったことがあるのですが、人それぞれかなり好みに差があります。これが味付けとなります。
ギターアンプや楽器系のアンプではかなりこういう部分を大切にしています。もし アンプを楽器と同じように考えれば こういう味付けも有りです。もしHiFIを求めたら(ソースに忠実に再生する)これは 大問題です。

オーディオは趣味です。色を付けて好みの音にするのも大いに結構です。しかし こういう意味を知って積極的にさわればもっとおもしろくなります。

外気温が10度の時と 30度の時と音が変わる!? 
ケーブルを変えるとコロコロ音が変わる!?

コンデンサーがついていれば その特性が変わるのですから 音も変わって当然といえるでしょう。
今回はコンデンサーのほんの一部分について書きましたが オーディオは複雑です。振動でも 線路インピーダンスは変わりますし、いろいろです。まだまだ理想追求は出来ます。とにかくコンデンサーは 理想的ではない!? コロコロ特性が変わる!?  素子の代表格みたいなものです。
自分としては やはりこれが無ければ成り立たない回路であれば別ですが(電源など)そうでない場合はやはり排除したいです。

改造ではどうするか!? こういう事をわかった上で コスト的に一番効くところを攻めるという感じです。
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