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クロックと音質 [オーディオ]

クロック。 私が会社に入ってデジタル回路で始めて実用的なもので覚えたのが カウンターだと記憶しています。
当時 記録計は高速なものが無く ゆっくりした現象を記録するための物でした。速くても 分単位とか 時間単位の物です。 しかし トリガーをかけて その瞬間をとらえる という世界最高速の記録計に出会ったのが 入った会社です。 毎秒何メートルも記録紙が飛び出る凄いマシンでした。(2mだったかな??)

その設計にカウンターが使われていました。バイナリカウンターですね。 あと おもしろい物では 遅延素子。 カラオケのエコーなんかに使われていた物です。 何に使うのかというと、入ってきた信号を実際の時間より 遅れさせることで 保存 と同じ動作をさせておくのです。 まあ 遠くを見るとそれは過去の出来事 という 光のスピードの現象と同じですね。

過ぎ去った物に トリガーをかけそこから記録するのです。

さて こういう回路を勉強しながら 同期回路 と言う物も勉強しました。 人工衛星からのテレメトリを同期させデータを拾う。今度は 別の同期の意味なのですが、 同期回路で そのデータを狂い無く伝送する ということです。 人工衛星でデータが変わったら 大変なことになりますよね。

何でこんな話をしたかというと オーディオのデジタルには多くのおかしな事があるのです。 デジタルなのに データが変わっている! 人工衛星なら大問題。 銀行でも大問題。 でも オーディオファンは 全然お構いなしに 変わってしまった音を聞いているのです。 これが不思議で仕方有りませんでした。

音を良くするための要素はいろいろあります。 簡単に言うと データの正確さと PCMデータの復調時に使う クロックの正確さです。
データは 全く同じであれば問題ありません。 まあ 後述しますが これが本当はとても難しいのですが・・・・
あとクロック。 ハイエンドオーディオで問題視? されている ppmであらわされる長期的な精度は 音質には関係ありません。 ただピッチが変わるだけです。 まあ ずっと言い続けている人も多いようですが、これは音質には直接関係ありません。  そうではなく ppmで表される精度よりずっと短い周期の揺れが問題です。 これは どんなに優秀なクロックでも 揺れているのですが、その揺れは直接影響します。 しかし まだ 問題はあるのです。 完璧なクロックを仮に注入しても 回路ですから他の影響があるのです。 ほんのちょっとしたノイズでも デジタル回路は誤動作(本当は設計通りなのですが、自分の意図と違うという意味)をすることがあるのです。 
私は この方が問題だと思い、ずっと研究してきました。 

たとえば ADC(Analog to Digital Converter) 要するに アナログをデジタルにする物ですが、 サンプルホールド回路というものが有り、 簡単に言うと 入ってきた信号をホールドして(一定にして変化しないようにする) サンプリングしやすい状態にするのですが、この回路一つとっても ノイズなどで 実際のデータとは異なる場合が発生します。 さらに サンプリングする際のクロックが揺れれば 当然絶対時間よりもずれるわけで その揺れに相当する 本来無い周波数成分が発生します。これを 排除するために 様々な仕組みがありますが、完璧とは言えないのが現実です。実際に ADCを設計するとすぐに分かる問題でした。

同じように DAC (デジタルデータをアナログに換える) でも似たようなことが発生するわけで、こういう全ての仕組みの中で 単に データとクロック だけではなく 多くの問題があるのです。

あまり 内容を話すと、技術公開になってしまうのでずっと黙っていましたが、 そう言う全てに関わる原因の排除が DPATの様々な技術や メモリープレイヤーであったりするわけです。

今回 DPAT Seven64ユーザーさんのために 再生プログラムを オープンソースで公開します。もちろん 無償です。  これ以上ないと思えるくらいの単純な物ですが、 しっかり 再生、アルバム再生、次の曲への送り、停止と 必要な機能がありますが、割り込みすら使っていません。 これが DPATの高音質の秘密の一つでもあります。 

DPATが目指した高音質再生の ほんの一つの技術ではありますが、 凄く重い意味があるプログラムです。

さて 後述すると言った データの件。 本来 デジタルだからこそ完璧が存在するデータのはずが、デジタルオーディオを始めて データが異なっている という事実を目の当たりにしたのです。

本当は 最も簡単なはずの データ一致。 しかし クロックばかりに気をとられ、データが異なるという重大なことを ほったらかしにしているのです。 どちらかというと データが違う方が 音は大きく変化します。 大きく変化する方を 対策した方がコストパフォーマンスが高いのです。 クロックを扱うと 大抵は 何十万円~数百万円にもなってしまうからです。 データだけを正確にするには そんなにコストは必要ありません。

ただ DPAT Seven64まできて 開発を続けていますと ついに思うことがあります。 それは ここまで来ると クロックが大きく関わってきたのです。 バイナリ一致させ、内部のクロックの問題も整理し DPAT Seven64を開発。 そして さらに 理想を求め クロックの利用の理想系を考えるとると どうしても突き当たるのが コストの問題です。 いま 私は ルビジウムクロックを使い音楽を聴いていますが、 ルビジウムクロックは 100万円前後しますよね。 ハイエンドトランスポートですと 数百万円ですから そこまで行かないにしても これと同じ価格くらいで 理想に燃えたシステムが出来ないか!? 
 一度聞いてしまうと忘れられない音なんですよね。 回さず、サーボもなく、バイナリ一致して、クロック同期して・・・・・・ 

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