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クロックと音質 はじめに [オーディオ]

よく話すのはデジタルオーディオの構成要素ですが、久しぶりですので繰り返させていただきます。

現在最も広く使われているCDなどのPCM デジタルオーディオの 二大要素は データとクロックです。
一ビットも狂わない 正確な送り出しは DPATシリーズがその役割を担ってきました。
十数年前 当時 CDトランスポートは 過渡期とも言える 音質とデータの矛盾に遭遇していたと思います。
その証拠に 名器 P-0は データ一致しているにも関わらず、サーボの強さを変える事が出来る仕様になっていて サーボの効きが音質に左右する事をEsotericさんの技術者は理解していました。 (この問題に関してはアナログも同じ道を歩んでいます。 後日話そうと思います。) 他のメーカーさんのあるCDトランスポートは データ一致していませんでした。 つまり 絶対にHiFiではありません。 しかし 音が良く感じると言うことで まあ 音楽鑑賞という面ではこれも有りかもしれませんが やはり 芸術的な面ばかりで無く、HiFiは追求したいです。
さて 私はそのデータが同じにも関わらず音が変わるという問題解決の一つの方法として 最初に時間をかけて完璧に読み取ってしまう という やりかたで、問題の原因の一つ、サーボそのものを使わない方法で影響する問題をクリアしました。その当時は DPAT-Proでは さらに ワードクロックで同期をかけデータが完璧というだけで無く、クロックも良い物を使うと言う手法で オーディオの理想を追求してきました。
当時最高峰とも言える ルビジウムやセシウムクロックなどで同期をかけ実験したことが懐かしく思えます。
その後 ワードクロックだけでは無くシステムのクロックが及ぼす影響が予想以上に多大にあるという事実に気がつき、ハードウエア、ソフトウエア両面からその問題に対応してきました。 それが DPAT Seven64です。

そして 現在では クロックの問題をトータル同期という手法で解決したのが DPAT Seven64 Model 496 と MTCSS Unitです。

しかしながら オーディオは奥が深く ハイエンドの世界では さらなる理想を求めていました。
一般~中級用途でしたら微細な差ですが、ハイエンドの世界ではやはり その微細なクロックの差は気になります。クロックは 止めた時間を元に戻すものですから 少しでも揺らぎがあると音質は異なるものになります。しかしながら 完璧は無いので難しいのです。

OJI Specialでは MTCSS Unitというクロック同期ユニットがありますが MTCSSクロックだけでなく 様々な 超高性能クロックが使える様に 10MHzで同期できるようになっています。
前述 ルビジウムクロックやセシウムクロックなどが利用可能です。

さて そこまでしても 気になるのは HiFiとハイエンドオーディオの世界です。 high fidelity つまり 高忠実度 そして リスナーが思う 高音質の関連性です。

音楽は 芸術です。 それを 余すところなく 全てリスナーに届けるのが真のオーディオと思います。
しかしながら 作品が本当に届けられているかは だれも測ることが出来ません。 唯一測れるとしたら それは マスタリングエンジニアが、最終モニターで聞いた音との比較なのかもしれません。
しかしながら それとて 「こんな音で鳴るだろう」 という想像の産物になると思っています。
理由は 持っているオーディオ装置は 十人十色だからです。それも不完全だからです。

あるマスタリングエンジニアとお話しをする事が多いのですが、いつもその問題にぶつかります。

本当は 録音のその場にいて 再生し確認すれば良いのですが、リスナーは絶対にその場にいることが出来ませんので その場を再現するために、加工し、また オーディオ媒体の仕様に合わせその中に納めるために加工し、ある意味そこにいなくてもいたように感じさせる為に強調します。人間が好む音質への変更ですね。 良い意味での加工です。

こうなると 何が本物か非常に難しい問題になってきます。加工しますので、そもそもその場の音 もしくは その場で録ったそのままの音では無いのです。そもそも そのまま録れるという確信のある絶対的な機材は存在しません。

私は 以前からこの問題に対処する手段として 録音 即再生を行ってきました。いわゆる「機材で音作りをしない」という HiFi (高忠実度) の王道です。 オーディオ関係のイベントで現場に立ち会った方も多いと思います。HiFiでなければ 音は大きく変わります。実際の生演奏と似た音質が HiFi機器である証拠です。しかしながら本当の事を言うと マイクはもちろん その他の機材で音質は変わりますので ここまで行ってもまだ 合算での音質になってしまうのですが・・・・・ただ いい加減な空想の耳で確認したりして 何もしないより遙かに高度です。全く別の音がするより、似た音がする方が、より高忠実度と考えるのが普通だからです。 こうすることで 機材が 高忠実度らしい?ものであるか 少なからず客観的に評価してきました。もちろん 客観的に評価するもう一つの手法が、物理特性です。 
歪みが有るのに 同じ音 つまり 歪みゼロ と感じたら 何かおかしいですし、 歪みが少ないのに 歪みっぽいとか付帯音があると感じたら何かおかしいのです。 
測定可能な物理特性が良いにも関わらず HiFiでなければ 何かは確定できませんが、別の要因があると言うことです。

こうして簡単に書いていますが、これは オーディオ関連の人が抱える共通の問題だと思っています。
絶対的な比較対象が無いので計測出来ないからです。
全ては 完璧が無い、そして 聞く人が絶対基準が無いところから派生している 言わば人間味のある問題です。
だから 逆にオーディオは奥が深いのです。
なから途中であきらめても 気持ちの良い音楽が聞くことができます。しかし 止められない、究極を目指したい と思ってしまうのが オーディオだと思います。

最近では デジタルオーディオの発達で、「なから」のレベルがかなりあがりました。
逆に ハイエンドは 究極の微細な差になっていますが その昔で言う微細な差はかなり大きいと感じています。 それが技術の進歩だと思っています。

大昔は 地球を回るだけでも凄かったです。それが 月に行き、今では 小惑星に着陸するまでになりました。技術の進歩は求めるターゲットを遠くに置きさらに微細にします。

いやあ オーディオはまだまだ 改善出来ます。何が本物か!? この微細な差ですが、 リスナー自身が考える時代になったと思っています。 

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