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クロックと音質  止めた時間 [オーディオ]

オーディオに限らず 記録はある意味時間を止めます。

アナログは 時間軸がつながっている? と考える人も多いと思いますが、実は テープやレコードが止まっているときは 時間は止まっています。 単に データが連続しているだけです。

たとえば 気温。 冬のある日。 一時間に一回ずつ 温度を手で記録します。
夏に 超強力エアコンで 一時間おきにその温度になるように設定したら・・・・
夏でも その 冬のある日 に近い温度を再現できます。
ある意味 時間を止め別の時間に再生できるのです。

アナログと デジタル それぞれ良いところがあるのですが、データの保存性では デジタルが優れている部分が大きいです。アナログと違い 人間が聞こえない領域は欠落していますが、人が感じる長い時間保存するという意味では アナログを遙かに超えています。保存さえ出来ればデータの欠落の有無が解るからです。アナログでは 基準が無いのでそうはいきません。
 
その昔、 ボイジャーが 太陽系外にメッセージを届ける手段として レコードを搭載していました。
銅に金メッキされたものです。 ビニール製では間違い無く分解してしまいますので 保存のためです。
ただ デジタルでも同じようにそのデータの記録媒体が問題になりますが、長い年月では無く 人が感じる長い年月中はデジタルの方が優れているという感じです。しかし その再現を試みる簡単さ と言う面ではレコードに軍配が上がると思います。
小さな子どもでも 再生が出来る可能性があります。 回しながら 針で擦るだけです。 デジタルはそうは行きません。

話が少しそれましたが さてさて そういう アナログとデジタルですが、 時間 という 部分ではどちらも苦労しています。 
それは アナログは連続しています。デジタルは 飛び飛びで連続しています。 双方 時間的に継続はしているのですが、 アナログでは 動かす、 デジタルでは クロックを与える と言うことになりますが、 その精度が 問題になるのです。この飛び飛びになっているデジタルなのですが、何故問題とならないのかは 別途解説したいと思います。 結構皆さん間違った解釈をしているようです。

さて 

止めた時間を動かす

人は微細なもので ものすごくゆっくり動く変化は気になりません。ピッチが多少(ホンの微細に)変わっても誰も気がつかないはずです。 プロの演奏家でしたら数ヘルツ変われば分かりますが、一般には解りません。
しかしながら 細かな動きになればなるほど 人は感じやすくなります。 音が揺らいでいると感じます。 そして ものすごく細かになると 音の変化はノイズのように感じます。 可聴帯域外ですと感じなくなります。

これは アナログ デジタル 双方有ることなのです。

アナログレコードやテープでは 遅くなったり速くなったりしないように 回転させます。 いわゆるワウフラッターです。 デジタルでは ワードクロックが 遅くなったり速くなったりしないように DACチップに送り込みます。

アナログでは 回転モーメントを持つターンテーブルで 微細な振動を抑えました。 モーターのゴロ程度で人は感じてしまうからです。(音程が変わるほどのワウフラッターという意味ではありません)

デジタルでは 機械的に振動が伝わるような ゴロはありませんが、デジタルのノイズや回路が 微細な周波数成分をクロックに組み込んでしまいます。アナログで言う ゴロみたいなものです。

アナログでは 振動系や磁気系そのものが持つ 質量があること、磁気や機械的な運動法則上の 周波数特性や 機械的な遅れが 問題となりますが、もしそれらが無かったら・・・・・ きっと デジタル以上になるかもしれません。

デジタルでは そういう振動マスが無いことが 大きな特徴ですが、 逆に 時間軸では 一例として アナログ系では揺らぎの解決策の一つとなる振動マスが無い事によるクロックの揺らぎが問題となります。

一例として レコードプレイヤーは 
とにかく回す → AC周波数が正確なことを利用して ベルトで回す → サーボで制御する → 超強力サーボで制御する
と言うような事を行ってきましたが、 超強力サーボでは それ自体が持つコントロールの細かで高速な振動が伝わってしまいます。
サーボが無ければ サーボが持つような細かな振動はありません。
それらを解決するために 砲金性の超強力イナーシャを持つターンテーブルを 糸 (振動が伝わらないようにする) と言うような事を行ったりしました。

これらは全て 止めた時間を元の現在の流れに合わせる差から生まれている問題なのです。

つまり アナログでも 時間軸復元の問題は大きな問題だったのです。

さて デジタルでは? 難しく言うと イナーシャを加えるような解決策は有るのですが、ここが大きなポイントで あまりに小さく一般的には無視される題材なので いままで解決する事を一般オーディオでは行ってこなかったのです。 音楽を聞く一般多数の人が解らなければ 変えなくても良いと言うことです。
安価で簡単な方が良いからです。妥協ですね。

しかしながら ハイエンド再生にとっては 大問題です。
つまり デジタルでも 時間軸を決定する 要素 そのものの クロックを問題視しないと絶対に理想へは到達しないのです。

本当は 時間を止めるとき つまり 録音するときは アナログでもデジタルでも 正確な時間を 保存することは出来ません。

どちらも 揺らぎがあるもので記録をしてしまいます。 もし 理想再生機が有るとすれば・・・・
録音時の 揺らぎを再生してしまうことになります。

超大昔のレコード、 テレビなどでその再生を聞かせてくれる場合、ちょっと現実的では無い 揺らぎがありますよね。 声が変とか あれです。 録音した時の揺らぎなのです。手回しをしたなら 手回しをした手がどういう風に回したのか? と言うことを再現してしまいます。 もし ゼンマイ仕掛けだったら その精度を復元再生します。誤差は クロックの精度以下までは 最大で再現する可能性があります。凄いですよね。

現在では レコーディングスタジオでは どこでも 有る面きちんとしたクロックを使っていますので その揺らぎは アナログ時代よりも少ないはずです。
つまり より 自然な流れの時間に近いのです。

できれば 再生側では理想を追い求めたいですよね。 もし理想クロックがあったら・・・・
レコーディングしたときの その時間の揺らぎまで 再生できることになります。 

逆に 揺らぎのあるクロックを使えば 再生音を変えることが可能です。 上手く行えば、良い感じの音色を付加することすら可能です。 エコーやビブラートを加えるのと同じです。

しかし 自分で加工して 良い音にするのではなく HiFiと言うことを前提とすると
 
前述 クロックの精度以下までは・・・ これが 出来るだけ良いクロックを使わなくてはいけないのは何故か!? の答えなのです

これを実現するために・・・・・ さて 何を考えたら良いのでしょうか!?

 

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