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クロックと音質 止めた時間の復元 [オーディオ]

止めた時間を 元に戻すには高精度のクロックが重要なことは前回述べました。

さて 高精度とは何を言うのでしょうか?

ジッター? 位相雑音? 周波数偏差? PPM? PLL? DDS? まあ いろいろな言葉が飛び交っていますよね。

数年くらい前までは 皆さんジッター ジッターと大騒ぎでした。
ジッターって何なのでしょうか? 大まかに言うと「時間軸の揺れ」 になりますが、オシロスコープなどで見る現実的なものはエッジの揺れになります。これは オーディオ用語で調べるのでは無く、電気的な現象として調べてみて下さい。 結構間違って使っていることが多いです。

ちなみに 10MHzなどの 測定や放送などで使う基準信号発生器 は 実は ジッターと言うことは使いません。 これは 正弦波ですから 当然なのですが、位相雑音という方法で計測します。
調べてみて下さい。 性能の表記は 周波数のズレと 位相雑音。 あと スプリアスや出力電圧などの表記ですね。中心周波数近傍の揺れは 位相雑音です。 ジッタではありません。
簡単に言うとジッターを問題とするのは 位相雑音で計測出来ない矩形波にしてしまってからです。それは ジッターになります。 ワードクロックなどですね。

オーディオではどのメーカーも評論家の方も 何故か クロックのジッターだけを問題とし、元のクロックの 位相雑音の事は誰も言っていませんでした。知らなかったのか? 隠していたのか? 問題視していなかったのか? とにかく当時は デジタル再生の根本 データが狂っていたほどいい加減? いや データを変えて良い音だと言っていた位だったので正確なクロックとは無縁だったのかもしれません。
 
不思議で仕方が無かったので DPATを開発してからは 私は声を大にして 位相雑音の事を雑誌の記事にし続けました。 

では どうして私は 多くの方がジッターと騒いでいるときに 位相雑音を問題にしたかというと
元がダメだと何をやってもダメ

と言うことがあるからです

そうです。元とは クロック つまり、10MHzなどの発振器ですね。プレイヤーなどでは 44.1KHzや48KHzの2のn乗 倍数のクロックを用意します。 11.2896MHzなどで一番簡単なのは 水晶発振器です。

元で位相ノイズがあれば 何を行っても なかなか減らせるものでは無いのです。
その証拠に ジッター低減装置は どの レシーバーにも入っていますが、やはり痕跡は残ります。
ダメなものは どんなことをしてもその痕跡が残ります。 ジッターを問題とするよりも まず 発振器の位相雑音を問題とすべきです。

理想的には もちろん 矩形波にしてからの ジッターも無いに越したことは無いのですが、元から合った
のでは どんな凄いロジック回路でも そのまま 位相雑音の痕跡は残ります。

デジタルオーディオは ジッターで片付けられるほど簡単ではありません。
 
たとえば PLLはダメ DDSが良い、 もしくはその逆 などいろいろな論議がありますが、 それ以前に 発振器の位相雑音も問題としなければならないというわけです。 

今話した 発振器の性能は 言わばレコードプレイヤーで言う モーターの性能 のようなものになります

これが正確にワウフラッター無しに 滑らかに回ることが大切で その滑らかさが問題と思えば理解しやすいと思います。

さてさて こういう事が解っている技術屋さんは いろいろクロックを吟味します。 
手に入りやすいものとしては ルビジウムや高精度水晶になるのですが、精度から言うとルビジウムなのですが、 水晶発振が良い と言う方も多いです。
理由は簡単で 個体による 前述モーターで言うと 滑らかさ具合が違うからです。 揺れの幅の最大値は同じでも 揺れ方が違うと表現すれば分かり易いでしょうか!?

ですから ルビジウムが良い いや 水晶が良い と言う議論は、精度とは別の話になります。
また 歪みの値がほぼ同じアンプでも 個体差があるのと同様 微細な部分はその違いが音に影響するようです。

ただし 人が聞いて解る解らないは別にして 理想を追い求める場合。 つまり HiFiを求める場合には、精度は高いに超したことはありません。 人工衛星が水晶発振では問題なのと同じです。
精度が悪いと 前回お話した 時間を止める前の状態は絶対に再現できないからです。

もちろん 逆に 極端な例を言うと 安価な携帯プレイヤーに超高精度クロックを搭載する というのはナンセンスです。 中身がクロックの価格になってしまい 他がおろそかになります。 その他の例では 前述 人工衛星なら超高精度クロックは当たり前に必要ですが、 目覚まし時計は 数十秒狂っても問題ありません。
商品の価格や、その性能、聞く場所や部屋など 全ては バランスになります。

つまり ミドルからハイエンドを目指しているオーディオマニアの方は是非 もっとクロックに注目していただきたいのです。

クロックは 綺麗な波形のまま伝送すれば 現在のクロックはかなり良い物なのですが、 実はどれも音が変わってしまいます。 クロックを変えたり クロックジェネレータを変えると 音がコロコロ変わるのです。

5-8年位前??からかなりルビジウムクロックが流行しましたが 当時ルビジウムクロックユニットを使って 「ルビジウムはダメ」 と結論付けている人も結構いらっしゃいますが、 ルビジウムがダメなのでは無く、クロック系のユニットの何かがダメ と言うこともあるのです。
そして もっと難しいのは クロック系は良くても他の性能が悪いと クロックは簡単にその素性を変えてしまいます。
ここが多くの皆さんが問題としない? 核心部分なのです。そのあたりの話は次回にでも・・・









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