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クロックの誤解 [オーディオ]

クロックの話をしたり、クロックの実験をしてくると まだまだ誤解の多いことに気がつきました。

「ルビジウムクロックが最高ではないのか?」 

と ルビジウムクロックを購入した人からの質問です。

んーん 私の説明が悪いのか? きちんと伝わっていないみたいです。

ここには 2つの誤解というか問題があります。

1, ルビジウム と水晶、やセシウムなど クロック生成の方法はいろいろあるが 音質を決定しているのは、品種ではなく 特性

2, 100円の水晶発振子と 何十万円もする ルビジウムクロックを比較することはナンセンス


音質を決定している大きな要素は 中心周波数近傍の揺れとなる位相雑音です。 ちなみに 何度も言っていますが長期的な周波数のズレのppmで表される偏差ではありません。こちらは ピッチの変化として人には感じられます。
発振をしている元がルビジウムであるか 水晶振動子であるか の違いよりも 最終的な回路の出来不出来が関係してきます。
確かに 高性能な物は位相雑音も少なく設計されています。つまり ルビジウムクロックなどの良い物では 位相雑音も少なく 通常の水晶に比べれば 結果的に ルビジウム=高音質 となることが多いです。

これらの問題の多くは 比較対象 の問題です。 同程度のものと比較しないと問題ですよね。 

さて そうはいっても こういう問題もあります。
最近では 水晶でも マイナス160dBといった 超高性能品もあり、-140dBの ルビジウムと比較して どうなのか!? ということです。 実際に比較してみますと ここまで来ますとただ単に数値だけでは表せない何かがあると思います。
というのは 位相雑音の数値だけでは決まらない音の差があります。 位相雑音だけをとってみても 比例関係にならない場合が有ります。 これも実は何度も言っているのですが、その特性があります。 どういう風に揺れているかですね。

簡単に言うと レコードプレイヤーを長年触ってきた人だとわかると思うのですが、 高慣性モーメントの糸ドライブの音と、サーボを強力にかけた音。ワウフラッターと言った 見かけの物理特性では 絶対にサーボの勝ち ですが、音は皆様ご存じの通りです。 これは 中心回転数近傍の揺れ具合が違うのです。 ゆったり 揺れ ゴロが主成分のものと 人為的に急激なサーボで揺れ動く物との差といった感じです。イメージできると思います。 人が感じる感じ方が違います。どうも 人と言う生き物は、自然な揺れ以外は敏感なようです。

クロックも同じで その成分が問題です。 ルビジウムだから とか 水晶だから ではなく その性能が問題となりますし、 その揺れ方も問題なのです。 これは 完璧なものが存在しないからです。 そして 仮に完璧な物を作っても クロックだけでは音は決まりません。 それは クロックを使う課程で元の波形にはない成分が乗ったりして 実際にワードクロックとして利用されるときには異なる波形になっているからです。

つまり 昔のようにただ単に高性能なもの という事ではなく、現在ではその内容までが問われるほど進化してきた と考えると楽だと思います。 レコードプレイヤーが作られた当時は 音が出るだけで凄かったのです。 しかし 最終的にはそれだけではなく 精度や高音質になるように考えられてきました。
デジタルオーディオも同じことで さらに高性能になっていくと言うことだと思います。

昔 CDが発売されたとき 「ワウフラッター: 検知限界以下」みたいな広告が有ったと思いますが、 人の検知能力は もっと凄かった という事だと思います。 人って凄いですね。


PS
 私は、何のクロックを使っているか!? という質問も多いので言いますと 業務では、音作りのために 水晶とルビジウムを使い分けています。 リスニングで 多いのは やはりルビジウムですね。ゴリッとした感じと弾む感じがたまりません・・・・ (^^;  超高精度の水晶は 音の本質を見抜くには良い感じです。
ちなみに クロックに出音のフィードバックをかける実験もかなり前に行い A&Vビレッジ紙でレポートしましたが 倍音成分が増えるなど変化がありますが、ルビジウムは こういう音とまた違いますね。 揺れ方と人が感じる音色の違いも研究していますが、クロックは難しいです。 

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